型式 | ABA-A1SL |
排気量 | 2.0リッター |
最高出力 | 276ps/5500rpm |
最大トルク | 35.9kgm/1700-5500rpm |
車両本体価格 | 499万円(税込) |
試乗日 | 2013年7月14日 |
2012年8月に北米で販売が開始され、
2013年3月から日本でも販売が開始された、
キャデラックの新たな車種、「キャデラック ATS」に試乗した。
以下に率直なインプレッションを述べる。
なお、2つあるグレードのうち、今回は上位グレードにあたる
「Premium」に試乗したのだが、下位グレードの「Luxury」には
先に試乗済みのため、ここでは両グレードの差分についてのみ
言及することにする。
(キャデラック ATS Luxury のインプレはこちら)
↓
【試乗記】 キャデラック ATS Luxury
【動力性能】・・・★★★★☆
Luxuryと同じ。
【乗り心地】・・・★★★★☆
「Luxury」と「Premium」で、最も注目すべき違いと言えば、
やはりサスペンションだろう。
「Premium」ではマグネティックライドコントロールによる
パフォーマンスサスペンションが標準装備となるからだ。
今回の試乗の目的も、このサスペンションの乗り心地を
確かめるためと言っても過言ではない。
前回の「Luxury」での試乗では、試乗コースにあまり
極端な悪路が無かったのだが、今回はかなり長距離の試乗を
させてもらったので、いろんな路面状況で詳細に乗り心地を
評価することができた。
前置きはこれぐらいにして、期待のマグネティックライド
サスペンションの乗り心地についてだが、結論から言うと、
期待したほどではなかった。
いや、乗り心地が悪いという意味ではない。
「Luxury」に装備されているサスペンションとの乗り味の違いを
あまり感じることができなかった、という意味で。
なので、乗り心地としては「Luxury」の試乗で感じた印象
ほぼそのまんまだ。前回の試乗では試せなかったような
悪路での感触も確かめたのだが、スポーティーないなし方で、
ドイツ車チックな乗り味という印象に変わりはない。
また、このサスペンションは「スポーツ」、「コンフォート」
などにモード変更が可能なので、各モードでの乗り心地も
試したのだが、変えた瞬間にはっきりとわかるほどには
あからさまな乗り心地の違いは感じない。
荒れた路面での上下動の収まり具合は確かに変わるが、
通常の路面状況ではほとんどわからなかった。
というわけで、乗り心地そのものは上々で、
充分に高評価を与えらえるレベルなのだが、
「Luxury」との差があまり感じられなかったという意味では
少し残念な印象が残った。
【居住性】・・・★★★☆☆
Luxuryと同じ。
【静粛性】・・・★★★★☆
Luxuryと同じ。
【内装質感】・・・★★★★★
Luxuryと同じ。
【装備】・・・★★★★☆
ざっくりと挙げると、「Premium」では「Luxury」に対して
下記のような装備が追加となる。
・アダプティブ クルーズコントロール
(全車速追従機能)
・オートマチック コリジョン プレパレーション
(衝突事前対応ブレーキ)
・オートマチック ブレーキ
(衝突被害軽減ブレーキ、前進/後退)
・サイド ブラインドゾーン アラート
・リア クロス トラフィック アラート
(後退時安全確認警告機能)
・イルミネーティングドアハンドル
・カラー表示ヘッドアップディスプレイ
・運転席2ウェイ パワー サイドサポート
・フロントシート2ウェイ マニュアル サイサポート
・スポーツアルミペダル
・マグネシウム製 パドルシフトスイッチ
・パフォーマンスサスペンション(マグネティックライド)
・LSD(リミテッド スリップ ディファレンシャル)
・エレクトリック パーキングブレーキ
・18インチ 鍛造アルミホイール
こんなにも追加装備があるんだから、60万円の差は
安いとは思うのだが、俺様は過剰な安全装備には興味がない。
よって、俺にとって意味のある装備だけに絞ると
・パフォーマンスサスペンション
・エレクトリック パーキングブレーキ
・マグネシウム製パドルシフト
・イルミネーティングドアハンドル
ぐらいしかない。
しかし、パフォーマンスサスペンションについては
乗り心地の項目で述べた通り、「Luxury」に装備されている
「スポーツサスペンション」と大して違いを感じなかった。
そして、エレクトリック パーキングブレーキだが、
これはこれで確かに魅力なのだが、残念なことに
オートホールド機能が付いていない。そのため、
信号待ちの際に自動でパーキングブレーキをかけてくれない。
せっかく電子式のパーキングブレーキなのに、
オートホールドが付いてないんじゃあ魅力半減だ。(-_-)
(ちなみに、先日試乗した新型ゴルフのエレクトロニック
パーキングブレーキには、オートホールド機能がある)
そしてパドルシフトだが、これが意外と使わない。(^_^;
いや、もっとレスポンスの悪いクルマだったら積極的に使う
と思うのだが、このATSは非常にアクセルレスポンスが
良いため、わざわざパドルシフトを使って走らなくても、
かなりキビキビとしたメリハリのある走りが楽しめる。
クルマのデキの良さが、逆にパドルシフトの活躍の場面を
少なくしてしまっているとも言え、何とも皮肉な状況だ。
なので、パドルシフトもあまり必要性というか、
ありがたさを感じない。
となると、実質的には俺様にとって魅力の装備としては
イルミネーティングドアハンドルしかないわけだが、
これが欲しくて60万円余分に出すかと言われたら、
それはさすがに無いなぁ、と。(^o^;
というわけで、「Premium」ならではの装備に期待をして
いたのだが、実質的には思っていたほどの差ではない、
というのが俺様が感じた率直な印象だ。
【カーステ音質】・・・★★★★☆
ATSには、「Luxury」、「Premium」の両グレードに、
「Boseプレミアム 10スピーカー キャビン
サラウンドサウンドシステム」
というオーディオが標準装備されている。
というわけで、いつも音質チェック用に使っているCDで
音質チェックをしてみた。
結論から言うと、充分にいい音だった。
低音も高音も過剰な演出がされることなく、適正なレベルで
クリアに再生されており、サラウンド感もあっていい感じ。
音質調整をいじっても音が壊れるようなこともなく、
好みの音質に合わせたい人にとっても問題のないシステムに
仕上がっている。
まぁ欲を言えば音量レベルの小さい高音の繊細な伸びなどが
ちょっと物足りない部分はあるけれど、クルマの中で聴く音
としては全く問題にするようなところではない。
【総評】・・・★★★☆☆
内容からすればお買い得な価格設定である、という点では
「Luxury」と同様の印象ではあることに違いはない。
だが、期待したほど「Luxury」と実質的な差がなかったので、
同じ3つ★でも「Luxury」と比べると少し劣るかな。
2つ★に近い側の3つ★、といったところかと。
となると、「Premium」は買い替え候補にはなり得ない。
「Luxury」についても、先の試乗記で書いた通り、
439万円という価格の魅力は認めながらも、
買い替えるほどかと言われると、そこまでではない、
という結論だ。
となると、ATSは完全に候補から外れた、ということに
なるのだが、それはあくまでも「今のところ」の話。
まだ価格交渉的なことはまったくしていないので、
ただでさえお買い得価格のATSだけに、実際の買い替え時の
交渉による値引き条件しだいでは、「Luxury」なら検討の
対象になり得るだろう。
ってゆーか、すごく個性的なクルマなので、多少条件が
他より悪くても、いっぺんこういうの乗ってみたいな、
という気持ちもあったりするし、左ハンドルというのも
人生で1度は乗っときたい(メッチャ不便だろうけど)
という気もするし、なんか、理屈では片付けられない魅力が
キャデラックATSにはある。
今回「Premium」に試乗したことで、あらためて
「Luxury」の魅力を再確認したという感じ。
いやホント、不思議な魅力のあるクルマですよ、ATSは。(^_^;
★新車への買い替えで損しないために、 知っておくべきたった1つの事★
★目次リンク
→ 試乗記の目次
http://aboutcars.blog89.fc2.com/blog-entry-88.html【試乗記】 キャデラック ATS Premium
テーマ:インプレッション - ジャンル:車・バイク
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