型式 | ABA-4GCHVS |
排気量 | 2.8リッター |
最高出力 | 204ps/5250-6500rpm |
最大トルク | 28.6kgm/3000-5000rpm |
車両本体価格 | 610万円(税込) |
試乗日 | 2012年2月5日 |
2011年8月にフルモデルチェンジしたアウディA6の、
2.8 FSI クワトロに試乗した。
以下に、率直なインプレッションを述べる。
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【動力性能】・・・★★★★☆
車重がけっこうあるので、2.8リッターでは動力性能はあまり
期待できないと覚悟していたが、思ったより走る感じ。
絶対的な動力性能はそんなに無いとは思うのだが、
加速しようとした時、けっこう低回転のままでじわじわと
引っ張ってくれるので、俺としては好きなタイプの特性だと思う。
キックダウンさせて急加速も試そうとしたのだが、タイミング悪く
前のクルマがつかえていて、チャンスがなかった。
なので、ほんの一瞬だけグイッとアクセルを踏み込んでみるくらいしか
できなかったのだが、その時の反応からすると、少しレスポンスは
鈍いかもしれない。
ただ、ドライブセレクタが付いているので、急加速したい時や
キビキビと走りたい時は、これを「ダイナミック」に切り換えれば
問題ないんじゃないかと。
通常の街乗りで走る際に求められる加速は、そんなにグイグイと
アクセルを踏まなくても気持ちよく加速してくれるので、
俺が使用するシーンで動力性能に不足を感じることはなさそうだ。
【乗り心地】・・・★★★☆☆
「最近よくある乗り心地」と言ったらいいだろうか、どっしりしてて
しっかりしてる、典型的なドイツ車の乗り味だ。
ビーエムの5シリーズやレクサスGSと共通するテイスト、そんな感じ。
路面の凸凹をフワッといなすのではなく、トンッ!って感じで
吸収する感じかな。車体は確かに突き上げをくらうのだけど、
そのショックを丸めて吸収し、凸凹を乗り越えた後に揺れを残さない。
だから凸凹があるたびに車体はそれなりに揺れるのだが、
収まりがいいので気にせず突っ走れるし、ハンドリングも素直で
カッチリしてるので狙った通りのラインを走れるため、不安感がない。
路面のインフォメーションも、スポーツ仕様のクルマみたいに
ダイレクトに伝えてくるのではなく、適度に「まったり」とした
接地感があって、シートを通じ伝わってくる感触に重厚な質感がある。
俺の好みでいくと、もう少し柔らかくてもいい感じなのだが、
確かに乗ってて不快感のある硬さではないので、結局のところ、
ドライバーズカーとしてのベストを追及していくと、どれもこんな感じの
乗り心地に近づいていくのかなぁ、と思い始めてたりする。(-_-)
【居住性】・・・★★★★☆
先日試乗した新型レクサスGSでは、後席のヘッドレストの位置が
低いのが気になったので、まずはそこをチェックしてみたが、
こちらは問題なかった。高さ調整をしなくてもちゃんと頭を支えて
くれる位置にヘッドレストがあった。
後席の広さ、ヒザ元や頭上の余裕は、このクラスの標準的な広さかな
って感じ。特別広いわけでもなく、狭いわけでもない。
運転席に座った感じも、ホールド感、コックピット感がほどよくて、
座っているだけで重厚なクルマに乗ってる感触が伝わってくる。
まぁでも、全長4930mm、全幅1875mmもあれば、居住性が良くて当然
と言えば当然なのだが。
【静粛性】・・・★★★★☆
基本的に静か。もちろん、エンジンを意識的に回したときには
それなりに音が入ってくるが、重厚な感じの質感のある音なので、
雑音という感じはしない。いわゆる「エンジンサウンド」。
通常走行の際に漂うノイズの雰囲気は、何となくビーエムの528iっぽい
雰囲気かな。でも、ロードノイズもそれほど気にはならなかったし、
今回のA6はさらに進化した静粛性が実現されていると思う。
なので、完全に遮音されているわけではないので4つ★にしたが、
聞こえてくる音に不快感を感じないので、まったく問題ない。
【内装質感】・・・★★★☆☆
これはちょっと残念!あちこち触ってみたけど、カチコチの
プラスチック(ではないかもしれないが)みたいな素材で作られてる
部分が結構ある。見た感じからも質感の低さが伝わってくるし、
触ると完全にショックを受けるレベル。
クルマの値段が値段だけに、もうちょっとカネかけてくれよぉ~と
思ってしまう。
さらにズッコケたのは、スイッチを押した時の感触。
押すと、ほとんどストロークせず、少し押し込んだところで
「カチッ」という感触のあるスイッチ。
俺が仕事でよく使う、安物のタクトスイッチの感触そのものだ。。。(-_-;
600万円以上するようなクルマで、こんなスイッチを使う神経が
理解できない。「押せりゃいいジャン」とでも思ってるのだろうか?
ビーエムといいアウディといい、なんでこう輸入車は、
こういう地味な部分での「質感の演出」がヘタクソなんだろうか。
まぁでも、シフト周りは先進的な雰囲気に仕上がっていて、
全体としてはかろうじて許容範囲の質感にはなってるかな。
にしても、値段からしたらチャチだなぁという印象は残る。
【装備】・・・★★★★☆
これはなかなか素晴らしい!
特に何がいいかと言うと、標準のオーディオが14スピーカーの
BOSEサラウンドサウンドシステム!これはポイント高いッス!(^o^)
シートも標準でレザー仕様。ヘッドレストと側面には合成皮革を
使っているものの、見た目にも座った感じにも質感のあるシートだった。
もちろん、シートヒーターも標準で付いている。
あとはイマドキ当たり前だが、HDDナビも標準で付いている。
あとプラスαの贅沢装備が欲しい気がしないでもないが、
まぁこのクラスならこんなモンでしょう。
ってゆーか、BOSEが標準なのは何ともうれしい。
俺はクルマに乗ってる時しか音楽を聴かないので、オーディオの質は
けっこう重要視しているので。
【カーステ音質】・・・★★★★☆
標準のBOSEサラウンドサウンドシステム、いつもの音質チェック用の
CDをかけて試してみた。
究極とは言わないけど、充分に高音質だ。
低域と高域がバランスよくクリアに再生されていた。
【総評】・・・★★★☆☆
ビミョー、かな。
見積り出してもらったけど、込み込みで約690万円。
いらんモノとか削れるモノを出来るだけ削って、さらには値引き分も
考慮に入れたら約630~640万円。
それでもやっぱちょっと高いかなという感じは否めない。
ビーエムもそうだけど、なかなか国産車には無い雰囲気があって
捨てがたい選択肢ではあるのだが、現時点においては、
「ぜひこのクルマに乗り替えたい!」と思うほどではないなぁ
といった感じ。
ただ、じゃあ他に強力な買い替え候補があるかと言うと、
今のところそんな候補は無い。
というわけで、一応は候補の1つとしてキープします。
もっと安いクルマで俺の「許容範囲」をクリアしてくれるクルマが
現れてくれると助かるのだが、いろいろ乗ってきて、日に日に
確信するのは、
「安い割にいいモノはあっても、
安くていいモノは無い。」
ということだ。
なかなか「全てを兼ね備えて、しかもお手頃価格」というのは
ないモンですね。当たり前っちゃあ当たり前ですが。(-_-;
★新車への買い替えで損しないために、 知っておくべきたった1つの事★
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→ 試乗記の目次
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