型式 | DBA-GRL11-BETQH |
排気量 | 2.5リッター |
最高出力 | 215ps/6400rpm |
最大トルク | 26.5kgm/3800rpm |
車両本体価格 | 550万円(税込) |
試乗日 | 2012年1月29日 |
2012年1月にフルモデルチェンジしたレクサスGSの、
2.5リッターモデルであるGS250に試乗した。
以下に、率直なインプレッションを述べる。
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【動力性能】・・・★★★☆☆
出足はいい感じ。エンジンの回転もなめらかで、軽快に加速していく。
GS史上初の2.5リッターモデルということで、動力性能に不安が
あったのだが、これなら2.5リッターでも充分!
と思ったのも束の間、上り坂でガッカリさせられることに!
加速しようとアクセルを踏み増しして2500回転ぐらいまで上げたが、
ほとんど加速しない。さらに踏み込んでおよそ3000回転ぐらいまで
上げてやると、ようやく加速していった感じ。
平地でも、アクセルをグイッと踏み込んでキックダウンさせ、
加速性能をチェックしてみたが、やはり3000回転の領域まで
回してやらないと、イメージに合うような加速感は得られない感じだ。
そんなわけで、街乗りの速度域での反応はイマイチな印象だった。
ほとんど街乗りでしかクルマに乗らない俺にとっては、あまり向いていない
エンジン特性だと言える。
【乗り心地】・・・★★★☆☆
簡単に表現すると、しっかりガッチリ、って感じ。
車体の剛性感が素晴らしく、路面の凸凹を乗り越えたときのソリッドな
感触がそのことを感じさせる。
しかしその分、やはり路面が荒れている所では、それなりに車体は
揺さぶられる感じ。この感触はビーエムの528iに乗った時の感触に
似ていると思うが、突き上げ感はGSの方が多少マイルドな気がした。
けど、116iとか120iと比べると、やはり「ガタイ」のデカさゆえの
重厚な感触がある。
なので、いわゆる昔風の「安楽」な乗り心地とは異なり、スポーティーさ
が際立つ乗り心地と言っていい。
まぁ個人的には、もう少し柔らかめでもいいかなぁという気はするが、
揺れの「おつり」的なものはかなり抑え込まれているので、揺れながらでも
地面との接地感がしっかりある。それがハンドルを通じて手ごたえとして
伝わってくるので、安心して真っ直ぐに突っ走れるあたり、ハンドリング
とのバランスも含め、非常に優秀な足回りだと思う。
【居住性】・・・★★★☆☆
まぁガタイがガタイなので、狭いとは感じなかった。
座った感じもいい感じで、同クラスのライバル車と比較していわゆる
標準的な感じかと思う。
それなら★4つぐらいつけてもいいのでは?といったところだが、
実は少し気になったところがある。というのは、後席のヘッドレスト。
普通に座った状態でもたれた時、頭の位置よりヘッドレストの位置が
かなり低かった。まぁ高さ調整はできるので、調整すれば問題ないのだが、
でも通常の使用状況を考えてみてほしい。後ろに座った人がヘッドレストの
高さを自分で調整するだろうか?少なくとも俺はそんな光景は見たことがない。
つまり何が言いたいかというと、後席のヘッドレストの高さは、
高さ調整しない通常の状態でそれなりに頭を支えられる位置に無ければダメ
ということ。コンパクトクラスのクルマなら仕方がない部分かもしれないが、
このクラスのクルマは後席の居住性にもそれなりにこだわらないといけない
クラスだと思うので、そういう観点でみると、新型GSの後席はちょっと
問題ありだと思う。
【静粛性】・・・★★★★☆
これはかなり優秀。特にアイドリングの静かさは究極の域かも。
走りだしの、比較的エンジン音が耳につくはずの場面でも、非常に
マイルドな感触と音で、かなり静かに走ってくれる。
ただ、LSと違って、GSはドライバーズカーとして「走る」ことを
楽しむクルマという面も重視しているため、それなりに回転数を上げると
けっこうしっかりとエンジン音(もしくは排気音?)が車内に入ってくる。
俺としては、回転数を上げても静かさを保ってくれるほうがうれしいが、
救いなのは、エンジンを回していった時の「音」が非常に上品な音質に
チューニングされていること。街乗りのシーンでも積極的にエンジンを
回してその音を楽しみたい人にとっては、むしろ好都合な特性と
言えるかもしれない。
あと、驚いたのは、エンジンが冷えた状態でも、エンジンが静かなこと。
試乗の際、ずっと止まってた試乗車を引っぱり出してきてもらったので、
試乗開始の時点ではまだエンジンは冷え切った状態だった。
こういう状態だと、普通はアイドリングもそこそこうるさくて、
走り出したときにも回転数の割にはトルクが出なかったりするものだが、
そういったところがほとんど感じられなかった。
そんなわけで、通常の走行では常にハイレベルな静粛性を確保。
「走る気」でエンジンを回したときには、勇ましいながらも上品な
音を楽しめる、ある意味でGSとしては狙い通りの静粛性が実現されている
と言えるかと思う。
【内装質感】・・・★★★★☆
パッと見た感じの華やかさは無いのだが、全体としてはこのクラス相応の
質感を有していると思う。スイッチ類の質感、押し心地も上々だ。
しかし、、、あちこち触ってみると、意外と硬質な樹脂が使われている
部分が多いことがわかる。「カチコチ」まではいかないのだが、
その一歩手前レベルの硬さ。これはちょっとどうかと感じた。
やっぱりこのクラスなら、もうちょっとしっとり感のある、指で押すと
そこそこ柔らかさを感じられるような素材で内装を作ってほしかった。
あと残念に思ったのは、水平基調な内装デザインで、イマイチ凝った感じが
しないことと、何となくビーエムっぽい雰囲気を目指したのかなぁと
感じさせるところ。パッと見で「無愛想」に見えるあたりなどそっくりだ。
やはり新型なら、これまでにない試みと、GSならではの「個性」が
感じられるようなデザインにしてほしかった。
というわけで、全体的に悪くはないものの、あまり印象としては
良くない感じが残った。
【装備】・・・★★★★☆
特別先進的な面白い装備が増えているわけではないが、このクラスに
求められるメジャーな装備は一通り備えている。
なので、特にオプションをつけなくても、素の状態のままで充分に
納得できるレベルの装備内容となっている。
あと、うれしいのはオプション設定だが、「ステアリングヒーター」が
つけられること。この価格がこれまた魅力的で、たったの10,500円!
冬場、ハンドルってかなり冷たいし、しばらく指先で軽く握って運転する
ということが俺の場合けっこうあったりする。(^^;
なので、この冷たさを解消してくれるステアリングヒーターは、ぜひとも
追加で装備したいオプションだ。たったの1万円だし、それなら最初から
標準装備にしてくれよと思うのだが、まぁそこはオプション設定が
あるだけでも良しとしよう。
それと、少し驚いたのが、パワーイージーアクセスシステム。
乗り降りの際、シートとハンドルが自動で動いて乗り降りしやすいように
してくれる、このクラス定番の装備だ。
何に驚いたかと言うと、普通、ハンドルは上に上がって、シートは後ろに
下がる、ただそれだけ。しかし、新型GSのこのシステムでは、ハンドルは
上に上がるだけでなく、テレ方向、つまり前後方向にも動いて、奥の方に
引っ込んでいく。
GSって前からそうなのかな?とりあえず、俺が知る限り、この手の装備で
テレ方向にハンドルが動いてくれたのは、今回のGSが初めてだ。
これはちょっとうれしいかも。
最後に残念な装備を1つ。それはナビの画面だ。
12.3インチワイドディスプレイ、それはまぁいいでしょう。
営業マンいわく、ナビ画面を見るときの視線移動を少なくするために、
ディスプレイをダッシュボードに埋め込むような感じにして、高い位置に
画面を持ってきているという。まぁそれもいいでしょう。
しかし!肝心のナビ画面の右側に、車両のインフォメーション表示的な
表示が常に表示されていて、ナビの画面が助手席側に寄っている!
なぜどうでもいいインフォメーションは助手席側にして、大事な
ナビの画面を運転席側に寄せなかったのか、まったくもって謎だ。
これではせっかく画面を上の方に持ってきても、横方向への視線移動が
多くなってしまうじゃないか。。。(-_-;
これって完全にミスだと思う。ナビのファームウェア修正を強く希望したい。
【カーステ音質】・・・★★★★☆
例によって例のごとく、いつも試乗の際に使っている音質チェック用の
CDを持ち込んで、再生してみた。
標準のオーディオにしてはかなりいい音!
これならオプションを付けなくても標準のままで充分イケる!
確認してみたところ、標準でも12スピーカーのオーディオが付いている
ということで、なかなか、それなりに音質にこだわったものを標準で
付けているのかも。
もちろん、スピーカーの数で音質が決まるわけではないが、高域も低域も
過不足なくクリアに再生されていたので、まったく問題なしだ。
【総評】・・・★★☆☆☆
率直に言っちゃうと、内容から考えると「割高」かな、と思う。
と言うのも、「新型」にしては、変わった内容が地味だと感じるから。
だって、装備にもこれといったインパクトは無いし、外見も平凡というか、
カッコいいとは思うけど保守的というか、あまり新たなことにチャレンジ
した感じはしないし、今回乗った2.5リッターモデルに関して言えば
街乗りレベルでは特に良さを感じるほどの感動も無いし、要するに
「さすが新型!」と思わせるほどの進化が感じられないんだよね。
ってゆーか、なんか先代よりも若干「車格」が落ちたのかな?
とさえ感じてしまう。
だって、先代ではラインナップされていたV8は今回無くなったし、
今回は全グレードに8速ATを積んでくるんじゃないかと期待していたけど
なんといまだに6速ATのままだし。
さらにはこれまではラインナップに無かった2.5リッターのグレードが
新たに設定されたし。
俺は「内容」と「出来」にしかこだわらないので別にいいけど、
レクサスを買い求める客の多くは多少「見栄」を張りたいと思ってるんじゃ
ないかと思うので、今回のGSはちょっと訴求力が弱いかもね。
ま、2.5リッターモデルに関しては、ちょっと街乗りしただけでも
余裕の足りなさを感じたので、わざわざ今のクルマを乗り替えてまで
乗りたくはないかな、という感じ。値段も高いしね。
でも、それ以外の面では許容レベルをクリアしているので、
次は3.5リッターモデルに試乗してみて、その感触しだいでは
アリかもね。
★新車への買い替えで損しないために、 知っておくべきたった1つの事★
★目次リンク
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