型式 | DBA-FR30 |
排気量 | 3.0リッター |
最高出力 | 258ps/6600rpm |
最大トルク | 31.6kgm/2600-3000rpm |
車両本体価格 | 715万円(税込) |
試乗日 | 2011年1月9日 |
2010年3月にフルモデルチェンジしたBMW 5シリーズの528iに試乗した。
以下に、率直なインプレッションを述べる。
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・【試乗動画】 BMW 528i
【動力性能】・・・★★★★☆
俺的には、5シリーズのベーシックモデルは3リッター+ターボ搭載の
535iだと思うのだが、今回試乗した528iは3リッターのNA。
それだけに、多少は非力さを感じるのかなと思っていたが、
まったくそんなことはなかった。
低回転域でもしっかりとトルクが出るエンジン特性と、
8速ATとのコンビネーションの良さが相まって、
出足から坂道での加速までストレスなくこなしていた印象。
「走り」を楽しむのに、充分な動力性能だと感じた。
回していったときのエンジン音も、重厚で質感があり素晴らしい。
どこか特定の回転域で嫌な感触や音を感じることもなかった。
ってゆーか、それなりに高回転まで回すのに少し苦労したくらいだ。
というのも、低回転域でトルクが厚い上に、8速ATがサクサクと
シフトアップしていくため、かなり急加速しない限り高回転まで
回らないからだ。
というわけで、535iや550iなんて本当に必要なのか?と思うくらい、
素晴らしい動力性能と完成度の高さを感じさせてくれた528iだった。
【乗り心地】・・・★★★☆☆
試乗前にイメージしていた通りの乗り心地だった。
「しっかり」感があり、剛性感のある印象だったが、ショックのカドは
うまく丸められていて、ゴツゴツするという感じはしなかった。
スポーティーかつ上品な感触、ってなところか。
しかし、ショックこそ丸められてはいるものの、路面の凹凸に対して
車体自体は上下にそこそこ揺さぶられる。
帰りに、試乗したコースと同じ道を愛車のフーガ号(2009年式 370GT)
で走って帰宅したのだが、フーガ号の方が上下への揺さぶられ感は
明らかに少なかった。なので、★3つの評価とさせて頂いた。
営業マンの話では、「高速になると、よりフラットな感じになります」
とのことで、どうやら街乗りの速度域よりも速めの速度域に合わせた
セッティングになっているようだ。まぁ日本車じゃないので当り前か。(^_^;
そんなわけで、営業マンから高速道路での試乗も勧めて頂いたのだが、
まぁそれはこのクルマが買い替え候補として残ったときにあらためて
体験させて頂くことにする。
550iなら、「ダイナミック ダンピング コントロール」という装備が
標準装備されているので、もしかしたらその装備があると、街乗りの
速度域の乗り心地も改善されるのかもしれない。
528iでも18万8千円出せば、オプションでその装備が付けられるので、
俺がこのクルマを購入対象にする場合には、その装備の効果も試乗で
確認してみたいと思う。
【居住性】・・・-----
不覚!チェックするの忘れてた。。。(^_^;
なので、後席や助手席については正直わからない。
運転席に関してはいい感じだった。シートもしっくりとなじんで
ホールド感もよく、それでいて窮屈な感じはしなかった。
まぁ車体のサイズがサイズなんで、助手席にせよ後席にせよ、
あんまり心配しなくても充分に広いのではないかと。(^_^;
【静粛性】・・・★★★★☆
とにかくエンジンが静か!
というのも、8速ATという多段ATのため、街乗りレベルでの
速度域や加速では常に低回転に抑えられているのが効いている。
しかも、その多用する低回転域の回転フィールが非常に滑らかで
がさつな音を全く発しないため、フィーリング的にも気持ちの良い
静かさだ。
それでいて「単に静か」なのではなく、重厚で質感のあるさりげない
エンジン音がわずかに聞こえている感じで、これが最高にいい!
なので、「走ってる時」の静粛性は、その静かさとエンジン音の音質も
含めて評価すると、これまで試乗してきた歴代のクルマの中でも
最高レベルと言えるだろう。
ただ、停車時のアイドリング状態で聞こえてくるエンジン音は
若干ながら耳障りかも。常に微妙に唸ってる感じが少々ウザい。
と言いつつも、試乗が終盤にさしかかる頃には慣れて気にならなく
なっていたので、それほどマイナスに考える必要もないが。
一番残念だったのは、エンジン音以外の音。
ロードノイズなのか風切り音なのかわからないが、そこそこの
スピードに達するとゴォーーーッって感じの連続音がして耳障りだった。
エンジンが静かなだけに、余計にそこが気になった。
恐らくはランフラットタイヤゆえのロードノイズだったのではないかと
思うので、タイヤを替えてみればだいぶ改善するかも。
【内装質感】・・・★★★☆☆
天下のビーエム、しかも5シリーズをつかまえて★3つはないだろう、
と言われるかもしれないが、正直、パッと見ぃの印象は★3つ。
というのも、いかにも「質実剛健」といった感じの内装で、
国産の上級セダンの内装では当り前の「愛想」的なモノが無い。(^_^;
特に、スイッチ類の愛想の無さはハンパない。
具体的に言えば、スイッチそのもののデザインや加飾が物足りない。
スイッチの並べ方なんてもっと愛想がない。
視線をあまり動かさずに操作できるように工夫されたスイッチの配置、
わかりやすい機能表示などは、やはり国産車の方に分があるようだ。
特に配置に関しては、基本的には左ハンドル仕様に合わせて
作られている物を右ハンドルにしてるということで、どうしても
輸入車は不利な部分だ。
まぁそれでも、空間全体から伝わってくる質感、シフト周りの先進的な
雰囲気など、パッと見ぃだけではわからない独特の空気感がある。
「走り」が売りのビーエムらしい、と考えれば、この無愛想な内装も
悪くはない。
というわけで、多少の割り切りは必要だが、変な例えをするならば、
「頑固オヤジの店に入る気持ち」で乗り込めば、これはこれで
いいんじゃないかと。(^o^;
【装備】・・・★★★★☆
さすがに値段が値段だけに、装備内容は充実している。
夜間のドライブ時にエレガントな空間を演出するアンビエントライト。
各種の設定、シート、ハンドル、ドアミラーの位置をメモリーする、
パーソナル・プロファイル・メモリー機能が付いたリモートキー。
HDDナビはもちろんのこと、12スピーカーのHiFiスピーカー
オーディオシステムも標準装備。
レザーインテリアも標準で、レザーシート装備車における定番装備、
「フロントシートヒーター」も標準装備だ。
空気の汚れを感知して内外気を自動で切換え、さらには、
日射量に応じて素早く設定温度に調整するソーラーセンサー、
フロントガラスの曇りを感知して自動的に曇りを除去するミストセンサー
などの機能が付いたオートエアコン。
俺の使わない装備ながら、下り坂でもブレーキ制御をして
車速を一定に保つという、少し上等なクルーズコントロール。
駐車時に車内の熱気を換気するという、ちょっと嬉しい装備、
パーキングベンチレーション。
デカい車体を身軽に取り回す、前後輪統合制御の
インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング。
信号での停車時に、自動でパーキングブレーキをかけてくれるという、
自動ホールド機能付きのボタン式パーキングブレーキ。
これは、信号で停車すると自動でパーキングブレーキがかかるので、
ブレーキから足を離してリラックスできるというありがたい装備だ。
また、アクセルを踏むと自動でパーキングブレーキが解除されるので、
特に何か特別な操作をする必要もない。
こういう装備、俺は結構好きだったりする。
まぁいろいろと挙げると長くなるが、とにかく至れり尽くせりの
装備内容と言える。
じゃあ★5つにしろよ、と言われるかもしれないが、
実は少々不満もある。
まず1つは、BMWの定番装備「iDriveコントローラー」。
様々な機能の設定がこれで操作できるわけだが、この配置位置が
運転席から遠い所にある理由がわからん。
しかも助手席側にちょっと傾いてるし。。。
助手席用の装備、じゃないよね?(-_-;
あと、メーターパネルに水温計が無い!
水温計が無いクルマ、最近増えてきてるけど、水温計の針の位置を見て
エンジンのトラブルを早い段階でチェックすることができないのは、
非常に不安なのだが。。。
ちなみに、水温計が無い代わりに「油温計」が付いてるので、
まぁトラブルがあればそれでわかるとは思うのだが、
正直、レースするわけじゃないし油温とかどうでもいいッス。(^_^;
そして、これは輸入車の宿命、なのかもしれないが、
ウインカーレバーがハンドルの左側にあること!
これは実に使いにくい!
試乗の最中、何度も右側のレバーを動かしそうになった。
何とか直前で気付いて左側のレバーでウインカーを出してたけど、
ちょっと油断するとたぶん右側のレバーを操作してしまうだろう。
ちなみに右側のレバーを動かすとワイパーが作動します。
これやっちゃったら恥ずかしいだろうな。(^_^;
【カーステ音質】・・・★★★★☆
標準装備ながら12スピーカーのHiFiシステム搭載ということで、
低音から高音まで上質な音だった。
と言いつつ、実はいつも音質評価に使ってるCDを試乗に持っていくのを
忘れてしまったため、厳密には断言できない。
けど、借り物の音源で、いろんな種類の音をしつこく探して
試聴したので、ほぼ間違いのない評価が出来たと思っている。
もっと上質な音を望むなら、5.1chサラウンドで16スピーカーの
オーディオシステムもあるようだが、まぁわざわざそのオプションを
付けなくても、標準のオーディオで充分イケると思う。
【総評】・・・★★★☆☆
ひとことで言うと、いいクルマ。
ただ、やはり輸入車ということで、715万円という値段には割高感を
感じずにはいられない。
しかも、低速域での乗り心地改善のために、
「ダイナミック ダンピング コントロール」のオプションを装備することに
なった場合には、さらに20万円近くプラスされるし。。。
俺の感覚では、この内容だったら車両本体価格600万円くらいが
妥当な価格かな、と思う。
地味な話だが、ウインカーレバーがハンドルの左側にあるというのも、
慣れの問題とはいえ気分的には大きなマイナスポイントだ。
ただ、静粛性やエンジンの質感など、これまで乗った国産車には無い
魅力を持っているのも確かなだけに、捨てがたい選択肢ではある。
というわけで、購入対象にはならない可能性が高いものの、
他に強力な候補が出てこなかった場合には再び購入対象の候補に
復活する可能性もある、ということで総合評価は★3つとしておきます。
今年はレクサスもフルモデルチェンジがあるはずだし、
まぁこの先もコツコツと、買い替え候補探しの試乗をしていきます。(^_^)
★新車への買い替えで損しないために、 知っておくべきたった1つの事★
★目次リンク
→ 試乗記の目次
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